Spare Times

暇な時に書きます

みなさん、飲み会のお誘いをお待ちしています

先日、前職時代に仲の良かったカメラマンさんたちや今は別の会社で働いている元同僚たちと、おおよそ1年半ぶりくらいにお酒を飲んだ。カメラマンさんとは墨田区のジャズフェスで会っているから1年も経っていないのかな、街で突然出会って以来な気がするけど酔っぱらっていたのであまり覚えていない。

 

そんな感じで、先に着いた僕たち数人は、サラダとアボカドを食べていた。三軒茶屋にあるチキンジョージというお店は初めていったのだけど、すごく美味しい(焼き鳥も美味しい)。シティ・ボーイ雑誌の人から、シティ・ボーイ御用達のキッチン南海みたいなお店をすすめられて行ってそこも美味しかったんだけど店名が思い出せない。キッチン南海よりはマイルドだった。キッチンなんとかだったと思う。

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131706/13013769/

 

1年半前にお酒を飲んだ時は、会社を辞めるにあたってお世話になったクライアントさんに挨拶周りをして、なかにすごく可愛がってくれた人がいたので4時間ほど飲まず食わず(食わせろ)で拘束されて洗いざらい未来のヴィジョンなどをしゃべらされたのだが(めんどくさいから嘘をついた)、その後に少し遅れて行った送別会の居酒屋で、どっと疲れがでたのかビールを何杯かジョッキでガバガバと飲んで、枝豆を多少口に運びながら壁に貼っていた「これは美味しい日本酒だよ!飲んだら楽しくなるよ!」みたいなキャッチコピーに目を奪われてずっとその日本酒を飲んでいたんだよ。ずっとだ。そう。まるで、時間が止まったみたいに。

 

いや、確かに飲んでいる間は時間が止まっていて、自分の居場所を変えることへの若干の後悔みたいなものがブレンドされ、浮遊感と共に気分の高揚や不安、動悸があったことは否めない。つまりは酔っていたんだ。酒に酔わされセンチメンタルを呼び覚ました。

 

クセのないマイルドなその味は可もなく不可もなくといった感じで、本当に水のようだ。水だ、アルコール臭い水。この水はアルコール臭いな、そう思いながら飲んでいたし、たぶんあれは水だ。気が付けば2リットルくらいを飲んでいたらしく(横の人が数えていたらしい)、それから梅酒ロックを口直しに飲んだ。梅酒は口直しに飲むものではないけれど、あの時に飲んだ梅酒の味は今でも忘れられない。いやこれも嘘。記憶はないんだな、これが。

 

まだ酔いつぶれていたわけではないので、みんなが2軒目に行こうと言い出した時に自分も喜んで参加して、そこからまたジョッキでガンガンビールを飲んでいたのだけど、気付いたら大雨のなか、家のベランダでゲロまみれになって地面に顔をこすりつけていた自分がいた。痛い、頭がものすごく痛い。なんだ、これは……。アアーッ!

 

時間は午前10時58分、その日の撮影は11時からだったけれど、それどころではない。まず現状を把握しなければ。とにかく「すみません、体調が悪いので少し遅れます」という連絡を、庭の草むらに捨ててあったスマホから入れて、そういえば着ていたジャケットやはいていたパンツがないことに気付く。下着もない。

 

スマホには110番した形跡があり、なにか税金のかかりそうなことをやっていたようだが、それどころではない。靴もなければ財布もない。おまけに物干竿はUの字に曲がっている。未だかつてUの字に曲がった竿を見たことがなかった。やったのは怒った近隣住民かぼく。たぶんぼく。しかしまったく何も覚えていな……と思ったところで記憶がフラッシュバックした。僕は部屋の中にそもそも入っておらず、ベランダから自宅の庭に侵入し(足をけがしていた)、鍵をなくしたと思って窓から入ろうと、無理矢理こじ開けていた一場面が浮かぶ。単純にキモい、この一連の行動。

 

たびたび、断片的にフラッシュバックする映像はラディカルで、『水曜日のダウンタウン』で泥酔した時のクロちゃんを見た時の「唖然」とはまた違う。実体験となると、もうそれは受け入れるしかないので、大雨の中、撮影を遅らせ、荷物もどこかにいった状況で、フラッシュバックにむしばまれていた。そう、ぼくはとてもゲロが吐きたくて、吐く場所がないから窓に向かって3回ほどゲロを吐きまくっていた模様である。窓の反射で見えた、ゲロを吐いた後の自分の姿。その目に秘める狂気。あれはまさに狂気の目。狂気の目でゲロを吐くぼく。驟雨が、雨の音が、とてもうるさかったーー。

 

まず鞄は隅の方に投げ捨ててあった。入っていたPCはなんとか無事で、今でもそれを使っている。雨にも強いMBA。服は隣人のベランダにあったので取ってくる。靴も同じくだ。あれ、財布……と思ってびしょびしょに濡れた身体でドアの前までいくと、紙幣がばらまかれていて、その先にヴィヴィアン・ウェストウッドの財布があった。2万くらい入っていたのに、落ち穂広いのように拾ったのは3千円。さ、3千円……。鍵は、ポケットのなかに、普通にあった。出社した後全員に怒られた。

 

社会人になって、年に一度、こうした粗相をやってしまうのだが、例えば二次会でいったイタリア料理のお店で赤ワインをデキャンタで飲み続けてそのまま記憶をなくして、友だちの家で吐くとか、あるいは4軒くらい上司にはしごをされて、そのはしごに上手く足をかけることができずに泥酔して、ある晴れた日の朝、渋谷のゴミステーションで寝ていたところを発見された、とか。ゴミステーションは意外と寝やすい、とか。

 

背負っていたバックパックにはMBAが入っていたけどまたしても無事だった。今もまだ現役。その時も、全身がゲロまみれであったのは、ここまで読んでくれた読者ならば言わずとも分かるだろう。あと服がびりびりに破れていたんですけど、もう色んなクセがあって自分のことがよく分からん。

 

もちろん、ここに登場したほとんどすべてのお店で、ぼくは出禁になっている。もう、思い出の店には入ることが出来ない、そう考えるとなぜだか涙が止まらなくなってきて、二度とゲロは吐かないと誓うのであった(今年はまだ吐いていないので、飲み会にお誘い頂く際は気をつけてください)。飲みの誘いはDMへ。