Spare Times

暇な時に書きます

TSUTAYA新宿店のアダルトコーナー

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いつものように、TSUTAYAの9階にあるアダルトコーナーでAVを物色していた。金曜日だということもあって、仕事帰りのサラリーマンらしき人たちが入念に物色している。それを横目でしばらく見ていた。ふと、目が合う。足早に7本のAVをオートメーションのレジカウンターに通し、郵便返却の手配を終えた後、黒光りする袋を抱えて足早にその場を去った。目線を交わしたおじさんは、宇宙企画のコーナーで再び物色を始めていた。

 

エレベーターに乗って1階のボタンを押す。途中のフロアで不意に止まり、以前「友だちになってください」という紙(レシート裏への殴り書き)を渡したマッサージ店のお姉さんと遭遇する。「また9階ですか?」と問われたので、「ハイ!」と元気よく返事をすると「気持ち悪い」と言われる。ドアが閉まる。絶対に友だちになれそうにない。

 

横断歩道の灯りが青色に変わるのを待っていた。横では男性が女性をナンパしている。新宿では見慣れた光景なので、それがナンパなのか勧誘なのかはすぐに分かる。金曜日だということもあって気分が高揚している男性は、わりとしつこく女性を飲みに誘っていた。そういえば近くに良いバーができたことを思い出して、ああ、あそこに行きたいんだろうなあと思いながらその光景をずっと見ていた。先ほどのおじさんの事例にしてもそうだが、人を凝視するクセがある。

 

迷惑行為防止のアナウンスが聞こえてくる。男性は一向にやめる気配がない。「迷惑行為防止条例」には、一応、つきまといも含まれているのだが、その声は誰の耳にも届かない。当事者にも届かなければ、イヤホンをして歩いている多くの人にも届かない。アナウンスだけが一人、何かを訴え続けている。リヴァーブはない。

 

タワーレコードに向かっていた。途中、居酒屋が密集している場所があって、たくさんの客引きに遭遇する。客引きに付いて行ってはならないという旨のアナウンスが流れている。「客引きはやめなさい」と声高に叫ぶ人たち。その横では客引きたちによる、客引き行為が行われている。

 

居酒屋お探しですか、客引きはやめなさい、居酒屋お探しですか、客引きはやめなさい。交互に聞こえるふたつの言葉が相対することはない。「客引きはやめなさい」の人は、客引きの正面から、客引きに直接言及することはない。どこかにいる架空の客引きに対して何かを訴えている。そうして今日も新宿の治安は守られない。交わることのない声が響く。

 

路傍の石、路傍の花、路傍の人、路傍の話。路傍にあるたくさんの何か。空虚の中に包み込まれていく。誰の目にも触れない、誰も路傍に目を向ける人はいない。常に自分が世界の中心にいると錯覚させる街。ネオンが眩しい。ほんの少し甘い、夜を食んでいる。

 

https://youtu.be/cPvywqXzbdc