Spare Times

暇な時に書きます

ビリー・ウォルターに花束を

アメリカの作家にビリー・ウォルター(1955年〜1997年)という人がいる。彼は終戦後、わずか10歳前後の時に日本に滞在した経験があるため、日本については多少詳しい。日本語も日常会話程度は話せるとのことで、親日家として知られていた。

 

作風をみても非常にオリエンタルなものを感じさせるのはその影響で、例えば1978年に発刊された『あしびきの街で』には、柿本人麿からインスピレーションを受けて、朽ちていく番いの山鳥がモチーフとされている。また、1986年の『鞍馬寺』では日本に滞在した際の記憶をもとに、西洋的なものと東洋的なものを折衷させながら、美しい自伝的小説を書き上げた。

 

今年、2017年というのはビリー・ウォルターが亡くなってからちょうど20年の節目となる。この20年で、彼の愛した日本も大きく変わっていったが、もし存命ならば酷く嘆いているだろうことは想像に難くない。「また長い夜を、独りさびしく寝ることだろうか」と憂う姿。ビリー・ウォルターに花束を。さびしく一人眠ってしまわないように。

 

 

※フィクションです